今月号のForbesJAPANに、弊社を取り上げて頂いた(45pの右下、55-56pの見開き)。
メディアというのは虚像が生まれがちで弊社でも基本的に敬遠してきていたのだが、今回の見開き記事、とても等身大で素敵な感じに仕上がっている。
編集担当の方とやり取りも一部やっていたことで、取材から出来上がりまでのプロセスを垣間見た。ものすごくタイトなスケジュールの中、よくもまぁこれだけの多岐に渡るステークホルダとのやり取りや調整をこなして発行までこぎつけるものだと、恐ろしいほどに凄まじいものがあった。
今号は複数冊、自分でもレジに並んで買った。1冊890円、レジで金額が表示されると脊髄反射で高っ、と思ってしまったが、瞬時に編集部の方々のその凄まじい様子を思い出し、考えを改めた。編集部の皆さんのとてつもない努力と汗の結晶だ。あの様子を思い浮かべると890円という値段がとてもかわいらしく見えてくる。丁寧かつ柔軟に取材していただいたことに、感謝ばかりである。
INCLUSIVE INNOVATION = 「全員幸せ」イノベーション by Forbes
<INCLUSIVE INNOVATION>これが今号のテーマだ。今回はインクルーシブ・イノベーションでいきます、というのは前々から聞いていた。インクルーシブというのは、直訳すれば「包括的に」である。この直訳というよりも、エクスクルーシブ=排他的、独占的 の反対、と捉えると分かりやすいかもしれない。三方良しとか、連携するところは連携しながらとか、既存の枠組みの良い部分を上手いところ活用しながらとか、そんなしなやかなイノベーションを意図していると解釈している。
さて、実際に仕上がった冊子を手に取り、このインクルーシブ・イノベーションの邦題(?)をそこで初めて知った。
<「全員幸せ」イノベーション>である。
なにこれ、かっこよくない、かわいい、あったかい。
失礼ながら、この何とも流行らなさそうな感じがまた、素晴らしいと感じている(最大級の賛辞のつもり)。
世の中で飛び交う情報量が圧倒的に増えて、不確実性が増している昨今、エクスクルーシブな、分かりやすいものが持て囃される傾向というか、力学が働いていると思う。
だからこそ、この分かりにくいふんわりとしたインクルーシブな、「全員幸せイノベーション」というフレーズが愛おしく感じるのだ。
社会や組織には、時に大前提を覆す様な、劇薬や荒療治も必要だ。
閉塞感漂う世の中に差し込む光が、必要な時に必要なだけ提供されるためにも、エクスクルーシブだったり、ディスラプティブ=破壊的だったり、極端に過激な事例にクローズアップな現代の流れ自体は、総論として肯定すべきものだろう。
インクルーシブなものは、たまにスポットが当たるぐらいでちょうど良いというか、承認欲求が満たされるよりもそれに伴う雑味や雑音を大きく捉える性質も帯びていたりするので、今回のフォーブスジャパンさんの意欲的な特集というのは、そうした世のバランスを個々の中で改めて見つめ直すきっかけにもなり得るものとなっているのではないだろうか。
元々フォーブスさんにはスタイリッシュでストイックという印象があったが、情熱と茶目っ気を大事にしている素敵な方々の手で作り上げられているのだと、その印象が変わった。弊社の記事に使われた写真も、もっとシンプルに洒落っ気のあるカッコいいカットがあったはずなのだが、最終的にあのゴレンジャー(もしくは駆け出しバンドグループ)な写真が採用されたのは、茶目っ気のなせる業だと、皮肉抜きに思う。
今回の特集、エクスクルーシブなものからすると分かりにくく愚直だと断じられるかもしれないが、今だからこそ、ぜひ多くの人に手に取って頂きたい内容に仕上がっている。
コンビニにも置いてあるから、とにかく買ってみて、とにかく見てみて。
本日の現場からは以上です!